入局希望のみなさんへ
1.日本医学放射線学会の研修システム
現在、日本医学放射線学会では放射線科専門医の資格は2段階になっており、図のように初期の3年間は診断・治療に区別なく研修を行い卒後6年目で専門医を取得します。その後さらに2年の研修を行って卒後8年目に診断専門医もしくは治療専門医を取得することになります。
2.当科における研修システムの概要
当科における研修もこれにそって、後期研修3年間(卒後3-5年目)は診断と治療の区別なく研修をする事を前提としています。これは放射線診断医は放射線治療の基本的な事項は知っておくべきであり、また逆に放射線治療医も画像診断の知識を身につける事が必要であるという理念に基づくものです。そして、専門医研修(卒後6-8年目)の段階で専門領域(診断あるいは治療)を決定し、それぞれの試験を受けて、診断専門医・治療専門医の資格を取得します。また、その過程で大学院に進学し学位取得を目指すこともできます。
3.システム詳細
1) 後期研修(入局1-3年目)
後期研修の3年間(卒後3-5年目)は放射線科医として全般的な放射線診断学、放射線腫瘍学、放射線生物・物理学の基本的知識及び技術を習得する事を目的とします。この期間は総合修練機関(大学)を必ず含めて1年単位でローテートを行い、不足している領域を補完できるように研修をしてもらいます。ローテート先は福岡県内を中心とした関連病院(福岡大学・佐賀大学を含む)です。
幅広い放射線領域の知識や技術を身につけるためには、研修という側面においても大学医局と関連施設との有機的な連携が不可欠です。
当科では専門医研修ノート(別項参照)に研修内容を記録することで、自身の到達度を客観的に評価できるようにしています。
個人の到達度を明らかにした上で、医局長、教授との面談を毎年行って次の研修先を協議します。そして卒後6年目に放射線科専門医試験を受験し、専門医の資格を取得します。
2) 専門医研修(入局4-6年目)
専門医研修3年間(卒後6-8年目)はそれまでと同様に研修を続けますが、若干期間が長くなり1-2年でのローテーションになります。その際に将来のコースとして診断医・治療医を選択し、それぞれの選択に応じたローテート先へ赴任する事となります。そして卒後8年目で専門医試験を受験し、診断専門医あるいは治療専門医の資格を取得します。また、本人の希望に応じてIVR学会・核医学会専門医の受験資格も取得可能です。
なお、学位取得コースでは、専門医取得後に大学院へ進学し、臨床研究を行いつつ、より専門的な放射線診断学・IVR・核医学の知識および技術の習得のための研修を実施し(臨床大学院)、専門医認定試験にて放射線診断専門医・治療専門医を取得できます。学位取得後は、大学で研究を継続する事も可能ですし、関連病院で地域医療へ貢献しながら、研修課程の医師の指導にあたることも可能です。